YUITOBLOG

YUITOBLOG

奈良シニア大学 事務局長が綴る、本と映画と感性と。

Enjoy Life

夢に向かって突き進め!椿野唯仁の公式ブログ

世界の生涯学習現状と課題(著:新海英行)まとめ

奈良シニア大学を運営する以上は、生涯学習を勉強しないといけない!ということで、奈良県立図書情報館に1日こもって、本を読み漁りました。

その中の1冊をご紹介。

そもそも奈良シニア大学とは

奈良シニア大学はこんな活動をしています↓

奈良シニア大学運営スタッフが語る「奈良シニア大学まとめ」【保存版】 - YUITOBLOG

日本の生涯教育は約9割以上が行政主導のもと行われています。奈良県もその例外ではないんですが、奈良県生涯学習を比較してみました!

奈良県のシニア世代必見!生涯学習の比較「シニアカレッジ・ひとまち大学・シニア大学・フェニックス大学」 - YUITOBLOG

世界の生涯学習 現状と課題(著:新海英行・村田武雄)

f:id:y-camellia29:20190316170046j:plain

序章

新自由主義政策のもと、人間の命と暮らしを最重視するものから、経済的な効率性を優先する考え方がさらなる競争を煽り、競争は不当な格差を生み、格差は悲惨な貧困を生み出を、貧困は経済的、精神的な生きづらさを、とりわけ社会的弱者と呼ばざるを得ない人々のやや顕著な形でもたらしている。そこでは、人間の生存と発達といった問題が専ら個々の人の自己責任とされ、社会的、国家的な保証責任の外におかれるなど、福祉と教育の私事化という由々しい事態が増幅している。(中略)

この問題解決のために当事者の立場に立ち、いのちの尊さを最重視し、より充実した暮らしの実現を目指した何らかの社会的実践の試みが求められている。(中略)

こうした有意義な価値に着眼し、活動を着実に深めている実践者は少なくない。注目すべきは、こうした実践者が一様に現代の問題状況への危機感を持ちながらも、希望を捨てないで今を生きてることに精一杯専念していることである。そしてなによりも生き生きと輝いていることである。

生きることの原動力が「生涯教育」だというこの本。

f:id:y-camellia29:20190316170325j:plain

生涯学習・生涯教育とは

生涯教育という言葉は、1920年代に北欧諸国の成人教育の伝統と結びついて現れた。第二次世界大戦後の1965年にユネスコでその概念が提案され、生涯学習という言葉が1970年に使われ、1990年代半ばに国際的な団体や機関によって着目されて生涯学習の教育政策・制度・実践やプログラムとして形成されていった。EUは1996年を生涯学習年とした。生涯学習の政策や実践に影響を及ぼしている国際機関は4つ。世界銀行ユネスコOECDEU生涯学習は、いつでも、どこでも、誰でもに基づく。

生涯学習は、世界的な教育問題とその困難な状況に対処するための不可欠な役割を果たしているんです。ゆりかごから墓場まで生涯学習は、包括的・人道的であり、人々の解放に役立つ民主的価値を基盤とする教育哲学であると言われています。纏めると、生涯教育とは、学習の切れ目のない継続性で、多様な場面でフォーマル・インフォーマルな教育・学習・つまり家庭や仕事や地域などでの学習の継続性を意味しているんです。

リカレント教育とは

リカレント教育は1969年のヨーロッパ教育大臣会議で提案されたもの。リカレント教育とは、学校卒業後、特に労働と教育を循環する原理として、全ての個人にその活動の生涯を通して教育を分配していこうというもの。急速に変化する社会に適応していくためには、教育は人生の初期だけで終わりではなく、生涯にわたり続けていくことが重要であり、必要に応じて個人が就労と交互に行うことが望ましいと提言しています。

リカレント(recurrent)は、反復、循環、回帰を意味する言葉であり、日本では回帰教育や循環教育と訳されることもあります。

 日本の生涯学習の概念

日本では、1974年に生涯教育・生涯学習という言葉が使われ始めているみたい。しでも、1986年の臨時教育審議会では「これらの学習は、学校教育の自己完結的な考え方を脱却するとともに、学校教育においては自己教育力の育成を図り、その基盤の上に各人の自発的意思に基づき、必要に応じて、自己に適した手段、方法を自らの責任において自由に選択し、生涯を通じて行われるべきものである。」とされ、生涯学習における自己責任が強調される。つまりこういうことかな。

日本の教育概念:自発的意思に基づき、必要に応じて、自己に適した手段、方法を自らの責任において自由に選択するもの

ユネスコ生涯学習の文脈と日本の生涯学習の文脈には大きな差があるけど、日本には、社会教育の歴史的伝統が脈々と継承されているし、それが日本の生涯学習をつくっている。日本は特に、EUの職業教育のような領域は弱いので、ヨーロッパの経験から学ぶ余地があるんじゃないでしょうか。

ヨーロッパの生涯学習

ドイツの生涯学習

生涯学習の主な教育機関は、以下の3つ。

  1. 地方自治
  2. NPOを始めとする民間団体
  3. キリスト教が設置する民衆大学

1953年代は、約2000もの民衆大学があり、そのの40~50%は職能講座だったらいしい。(2009年には、約940の民衆大学に減少)科学領域や外国語、文化的・芸術的テーマ、親のあり方、家庭教育、環境保護、健康生活等の労働者の精神的、文化的支援に関わる入門的な一般教育が優先順位を占める。

  • 均等な教育機会の分配
  • 移民受入国家としての異文化教育の展開

  • 資格取得などの熟練労働者の潜在的強化

イギリスの生涯学習

イギリスは高齢者の生涯教育に注目しているみたい!

life long life「3L」=生涯教育という意味らしい。こんな発想みたいで、好きだなぁ〜。

私たちが成人教育に関心を向けているのは、大金をもたらすためというよりは、公民としてより良い生活を実現するためである。多くのケースは、より積極的に働くために、より豊かな生活を実現するためにさらに学習を求める。貧困層は国が対応すべきであり、僕たちにできることは一定層でもモチベーションやエネルギーを持った人たちのさらなる学習意欲の向上と機会提供、そして、機会還元である。

まとめ

教育が人生において重要な役割を担っていることは分かっていただけたかと思います。そもそも、勉強に終わりはなく、分からないから勉強するわけですね。決して、良い大学に入り、一般的に良いと言われる大学に入るために勉強するわけではなく、より豊かな人生を送るために学習していくわけです。教育がビジネスとなってしまった背景や、教育の本質はこれまでにもフィンランド教育から考えてみました。

  1. 【書評】福田誠治「子供たちに未来の学力をフィンランドの学力観に学べ」その1【日本の教育の今】 - YUITOBLOG
  2. 【書評】福田誠治「子供たちに未来の学力をフィンランドの学力観に学べ」その2【日本の教育史】 - YUITOBLOG
  3. 【書評】福田誠治「子供たちに未来の学力をフィンランドの学力観に学べ」その3【ゆとり教育】 - YUITOBLOG

まして、学問すること、教養を身につけることの重要性はこれまでのブログでも沢山紹介してきました。ご覧いただいている方の中で1人でも、共感してくれる人がいてくれたら嬉しいですし、そういう人と繋がっていきたいです!

 

追記

www.yuitotsubakino.jp

新しい形の生涯学習を目指して、頑張ります!

追記2

教養を身につけるうえで、オススメの本を10冊厳選しました!

【大学生必見】教養を見につけるためのオススメ本10選! - YUITOBLOG

www.yuitotsubakino.jp

読者・コメント募集中!!

ブログを読んでいただいた感想をコメントください。

ブログを通じて皆さんと出会い、繋がり、新しい学びが生まれたら嬉しいです。

よろしくお願いします!

前回の記事はこちらから

洪庵のたいまつ(著:司馬遼太郎)全文 - YUITOBLOG

www.yuitotsubakino.jp