どうも、YUITOです!
今日は書評を書きたいと思います。
「おとなの教養 〜私たちはどこから来て、どこへ行くいのか〜(池上彰)NHN出版」
大反響 15万部突破! と書いていますが、既に30万部を突破している超ロングセラーです。わかりやすい解説で有名な池上彰さん。沢山のご著書を書かれていますが、この本は広範囲なジャンルを読みやすく纏められている1冊と言えます。
僕のブログのサブタイトルに!?
僕のブログのサブタイトルもこの本から来ています!
でも実は、(信じてもらえないかもしれませんが、)この本に出会う前から「自分は何のために生まれて、何ができるのだろう」ということに興味があったんです。2018年の奈良のビジネスコンテストにファイナリストとして残れたんですけど、そこを突き詰めていく作業(自分・自社のブランディング)をしている中で、この本に出会ったわけです。
因みに、ビジコンはこんな感じでした。結局、この本のお陰様で、自分たちは哲学の中にどっぷり浸かってしまって、抜け出せない負のスパイラルにハマってしまったのです。結果は、300社中5位という結果に。
徹夜でプレゼンの準備をしましたが、良い結果につながらず…笑 でも、それがあったから今があると思い込んでいます。
さ、話を戻しましょう。
教養とは自分を知ること!
こんな文章から物語は始まります。
「自分はどこから来て、どこへ行くのか。自分はいまどこにいるのか」という問いかけがあるのではないでしょうか。
その問いかけは、あなただけのものではありません。過去の人類が、向かい合ってきた問題でもあります。問題への真摯な取り組みが、「リベラルアーツ」という学問体系を築きました。リベラルアーツとは、その時々の「現代の教養」として発展してきました。
日本の大学では、社会に出でからすぐに役に立つものを教えて欲しいと言われるそう。でも、「すぐに役立つことは、すぐに忘れる」とハーバード大学の教授は言います。また、池上彰さんはこうも主張します。
本当の教育というものは、すぐには役に立たないかもしれないけれど、長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるものです。
自分を支える基盤=教養(リベラルアーツ)なのです!
現代の教養7科目!
- 宗教
- 宇宙
- 人類の帰路
- 人間と病気
- 経済学
- 歴史
- 日本と日本人
宗教
もともとは「この世界に人間の力が及ばない存在がある。それは何であろうか。」という問いから宗教は生まれました。科学が発展した現代の目から見ると、宗教の様々な教えにはちょっと無理なところも出てきます。しかし、いくら科学文明が発展しても、私たちは思い悩むことがいくらでもあります。ーーー 「神様、仏様、助けてください」と祈る。入学試験前は突然神社にお参りに行く。結局、人間は弱い存在です。
アニミズムという日本的な考えから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教についての背景などが書かれています。僕が勉強した仏教はコチラから。
宇宙
それでも地球は回っている(ガリレオ・ガリレイ)
一般的な天動説に対して地動説を唱えたガリレオ・ガリレイは処刑されます。ここでも、宗教との関わりが挙げられます。神様が作った宇宙の法則を科学で解きあかそうというのが、この学問です。
全くの無の地点から突然、インフレーションによって小さな宇宙ができ、それが爆発してありとあらゆるものをまき散らした。その中にヒッグス粒子が現れて、重みができ、やがて宇宙の星ができ、私たちが生まれた。ーーー ヒッグス粒子の発見によって、「私たちはどこから来たのか」ということを宇宙スケールで説明できるようになったのです。
どこから来て、どこへ行くのだろうというテーマで書かれているブログはコチラ。笑
人類の岐路
ダーウィンの進化論は皆さんも読んだことがあるはず。弱肉強食で強いものが常に主として勝ち残って来たわけではなく、適者生存(残るべくして残る種が残った)という自然淘汰という考え方が提唱されています。
祖先である、ホモ・サピエンスの岐路を辿ります。ここでは、池上彰さんのわかりやすい視点から書かれているので、初級編の方にはここの章で十分だと思いますが、中級編になってくると、サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)がオススメです!
人類は全て東アフリカで生まれた。そこからヨーロッパへ向かうルートと、ユーラシアへ向かうルートに別れた。ネアンデルタール人と、私たちホモ・サピエンスは全く違うものである。
人間と病気
病気が人類の歴史を大きく変えた(池上彰)
花粉症でも死んでしまう種があったと言います。細菌、バイ菌、ウイルス、インフルエンザ、スペイン風邪、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ…。スペイン風邪という病気をスペイン人が沢山持ち込んだために先住民は死んでいった過去があるそうです。
こうした事実からも、病気が人類を大きく変えたことが分かると思います。私たちを知ることは、病気を知ること。病気を知ることは、私たちを知ることです。
経済学
アダム・スミスから始まり、カール・マルクスやフリードマン、ケインズへと理論が展開されいきます。 マルクスの資本論は、以前にコチラで書きました。
時代の課題に応じて、経済学には新しい理論が求められます。近年は、感情や心理が経済行動に大きな影響を与えることがわかってきた。これを行動経済学と言います。(池上彰)
個人的には、ケインズの公共事業を多く作った、乗数効果が好きですね。
歴史
歴史は、常に勝者によって書かれたものであると同時に、その時々の政治の事情や都合によって、見直され書き換えられるものなのです。出来事と出来事の間に、どういう論理や因果関係が見て取れるのか。そこに、歴史を学ぶ面白さがあるのです。(池上彰)
僕たちが学んだ歴史というものは氷山の一角にしか過ぎないという視点をもつことが大切です。歴史を知らないと、愚かな失敗を繰り返します。歴史(過去)から学ぶことで、失敗を未然に防ぐことができるのです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(ビスマルク)
歴史を批判的に眺めながらも、学ぶべき知見は現代に生かす!
日本と日本人
まず日本という国の由来は2つあります。
- 太陽の元の国という意味での「日の本=日本」
- 聖徳太子の「日出ずる処=日本」
どちらが正しいかはわからないようですが、当時の日本の朝廷にとって、中国は大きな影響を与えたことに違いない。中国との関わりの中で、言語や分野の違いを実感し、国としての自意識が芽生えたのでしょう。
日本人=日本の国籍を持つ人。この定義ができたのは、1873年なのです。つまり、日本人という概念が出来てからまだ150年しか経っていないのです! 太政官布告・太政官達 - Wikipediaが公布されました。日本人という概念が政治的に作られたことで、初めて日本人というものが制度上、存在するようになったのです。
メイドインジャパンは、元々、安かろう悪かろうが代名詞だったそう。
第一次世界大戦の戦場だったヨーロッパから日本に注文が殺到したことで、質よりも量を重視する、ひどい商品が多く流通したそうです。このイメージを払拭しようと第二次世界大戦後に日本人が努力をした結果、今のメイドインジャパンになったそう。
養父医者の語源や逸話に似ていますね。
まとめ
人間ははるか昔から同じ問題を考え、そこから宗教や科学、歴史など様々な学問体系を作り上げて来ました。学ぶ営みは、必ず過去の蓄積を下地にしています。過去を見直すことで、学問は発展し、成長することができた。現代を生きる私たちは、知識を受け取るだけでなく、それを現代に生かし、より良い社会をつくり、より良い人生を築いていく。それがリベラルアーツの価値なのです。(池上彰)
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これは、僕の使命です。知識や経験を自分だけのものにするのではなく、他者に共有されることでこそ価値になると考えています。詳しく書いたのはコチラから。
改めて問います。僕たちはどこへ向かっていくのか。
おわり
前回の記事はコチラから。
日本がいかに恵まれている国なのかわかると思います。